G2-MFA アストラル線バースト

ジャーナル                            妖精研究誌

      アストラル線バースト

         地質調査員ピツカーシャ(妖精研究所地質学部)


1. 特性

 アストラル線バーストは、エリトラ座第4恒星(図1)の方角から不明な発生源によって非周期的に発せられる非常に強力なアストラル線、およびそのイベントです。。

 アストラル線は宇宙において普遍的に観測される微弱なエーテル風であり、岩石惑星上では通常全天から等方的に入射します。これは、アストラル線が惑星の岩石層を貫通できないためと考えられています。

 アストラル線バーストは多くの場合数日間に渡って続き、イベント中はアストラル線の強度が不規則に上下し続けます。大規模なものでは、数日前もしくは数日後に比較的小規模な随伴アストラル線バーストを伴って現れます。

2. 最近の事例

 図2は、2747日前後の妖精の星および祖なる星の平均的な1日における、地表面が1日の間で全天から受けるアストラル線の量です。祖なる星の平均的な1日当たりの全天アストラル線量113.0etに対し、観測史上最大の値を記録した2747日では266016.0etにも及びます。1秒当たりの全天アストラル線量は、2747日の午後に祖なる星の約200万倍を記録しました。また、妖精の星は恒常的に祖なる星の10倍程度のアストラル線に晒されています。

 研究者は2747日の夜にエリトラ座第4恒星の方角にアストラル線バーストの発生源となる天体を探索しましたが、肉眼でも天体望遠鏡でも明確な異常は見受けられず(図3)、人間がアストラル線バーストの存在を観測器を用いずに知覚することはできませんでした。

図2  1日当たりの全天アストラル線量

    図1 エリトラ座第4恒星

 人類がこのような極高アストラル線環境に遭遇するのは妖精の星が初めてのことであり、このような環境において物質や生態系がどのような影響を受けるのかについては未だ人類の知識が及ぶところではなく、アストラル線バーストが今後の物理学研究の手掛かりとなることが期待されています。

3. 過去の痕跡

 これまで、妖精研究所の研究者は、地表面上の植生や地下の岩石の構成から過去に妖精の星が受けたアストラル線バーストやエーテル風の痕跡を調査してきました。

 地下空洞に蓄積されたオーラ様エーテルや、高濃度のエーテルを含む岩石は、妖精の星が長い間に渡って高濃度のエーテル風に晒され続けたことを示唆するという指摘があります。その場合、今後発生しうる超規模のアストラル線バーストによって、地盤中の岩石の成分構成が変化する可能性があります。

 また、高濃度のエーテルを含むミラージュの花が過去のアストラル線バーストの状況を示す生きた化石であるという指摘もあります。妖精の星に原生する生物のほとんどは、高エーテル環境に依存した代謝機構を持っている、もしくは高濃度のエーテルに耐えうる体をしています。外来種である私たち人類は高エーテル環境に適用した体を持っておらず、今後発生しうる超規模のアストラル線バーストによって人間の生命活動が脅かされる可能性があるため、さらなる研究と対策が要求されています。

   図3  2747日夜のエリトラ座
     第4恒星近傍の夜空


2021年2月3日 MirageFairy Server創作部